白い歯の構造

白い歯は、一見して保険や自費の区別なく同じように見えます。
しかし、その材質や構造は、異なります。
そのため、製作作業ステップは、全く違うものになります。

硬質レジン (保険)
硬質レジン (保険)

金属の上にレジン(プラスチック)を付けたものです。
前から見える部分だけにレジンを付けて白く見せています。
裏側は金属のままです。

メタルボンド(自費)
メタルボンド(自費)

陶材焼付冠とよばれるものです。
金属の上に、前と裏側のほとんどを白い陶材(セラミック)を焼き付ています。
昔から長く使われている方法で、とても安定して信頼できるものです。
セラミックを焼き付ける器械など、特殊な器材が必要です。

ハイブリッドセラミック(自費)
ハイブリッドセラミック(自費)

金属の上に、セラミックの粉末が入ったプラスチックを付けたものです。
当歯科医院では勧めていません。

オールセラミック(自費)
オールセラミック(自費)

金属を使わないで作り上げる方法です。
e・maxなど高温でセラミックをプレスするものや、CAD/CAMなどコンピュータを利用したセラミックの削り出しや、ジルコニアを主体としたものなどがあり、前歯ではその上にポーセレンを付けて天然歯のようになります。

白い歯の材料一覧

白い歯の種類区分使用材料特徴
硬質レジン冠 保険硬質レジン(強化プラスチック) + 金属金属にプラスチックをくっつけたもの
保険の金属を使うので黒く変色する
白い部分が柔らかいので擦り減りやすい
メタルボンド冠自費セラミック + 金属金属にセラミックを焼き付けたもの
強度があり、長年使われてきたので安定している
白い歯との境目の歯ぐきが変色することがある
e・max 冠自費セラミックのみセラミックを高温で溶かして型にプレスしたもの
プレスした上にセラミックを盛り上げるタイプもある
セラミックだけなので安心できる材料です
そこそこ硬いが脆いところがある
ハイブリッドセラミック冠自費粉末セラミック入りレジン + 金属金属に粉末セラミックが入ったプラスチックをつけたもの
そこそこ硬い
ジルコニア冠
(CAD/CAM含む)
自費ジルコニア人工ダイヤモンドに近い材料で硬い
ジルコニアにセラミックをくっつけるものもある
ジルコニアにセラミックをくっつけるタイプは、ジルコニアとセラミックの接着力に疑問がある
CAD/CAMなのでピッタリではなく僅かに隙間が出来る

(CAD/CAMタイプ)
自費セラミックのみコンピューターで読み取り手早く出来る
材料がセラミックなので安定している
歯を沢山削ってしまう
CAD/CAMなのでピッタリではなく僅かに隙間が出来る
レジン冠
(CAD/CAMタイプ)
保険レジン(プラスチック)のみコンピューターで読み取り手早く出来る
プラスチックなので他の材料に比べ割れやすい
歯を沢山削ってしまう
CAD/CAMなのでピッタリではなく僅かに隙間が出来る

当医院では、予後のことを考えてメタルボンド冠を中心に、ジルコニア冠をお勧めしています。

白い詰め物(インレー)の材料

白い歯の種類区分使用材料特徴
コンポジットレジン保険強化プラスチック小さい虫歯の穴を塞ぐために使う
ハイブリッド・セラミックインレー自費粉末セラミック入りレジン金属にセラミックを焼き付けたもの
強度があり、長年使われてきたので安定している
白い歯との境目の歯ぐきが変色することがある
e・maxインレー自費セラミックのみ粉末セラミックが入ったプラスチックなので割れやすい
オールセラミックインレー(CAD/CAMタイプ)自費セラミックのみコンピューターで読み取り手早く出来る
材質はセラミックで安定している
CAD/CAMなので他のものより隙間が出来る
ジルコニアインレー(CAD/CAMタイプ)自費ジルコニアのみコンピューターで読み取り手早く出来る
高温で固めたものなので硬い
白色だが天然歯のような透明感は無い
CAD/CAMなので他のものより隙間が出来る

当医院では、e・maxインレーをお勧めしています。

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