ホワイトニングとは歯の漂白のことで、アメリカではかなり前から盛んにおこなわれていたようです。最近日本でもその薬剤が認可になりずいぶんと普及しました。
ホワイトニングには、
・歯科医院で行うオフィスホワイトニングと
・歯科医院で器具を作ってもらい自宅で行うホームホワイトニングがあります。
オフィスホワイトニング
強力なホワイトニング剤を使い、数週間の期間をおいて通常2回または3回の通院ごとに、ホワイトニングを行います。
ホワイトニング剤は、過酸化水素水(つまりオキシドール)の非常に濃度の高いものが本体です。それを歯の表面につけ、化学反応や光で活性化させ漂白力を発揮させます。
薬剤は皮膚や粘膜についたりしないよう、とくに目に入ると非常に危険なので、注意深い取り扱いと慎重な処置が必要です。
ホームホワイトニング
最近人気を集めているのがホームホワイトニングです。
歯科医院で歯の上にホワイトニング剤を保持するキャップを作ってもらいます。そして自宅で夜間などにキャップを装着してホワイトニングを行います。
ホワイトニング剤は、過酸化水素に比べると作用が穏やかな、過酸化尿素が主体です。ホワイトニングの期間はかかりますが、そのかわり安全性が高いので自宅でも出来るわけです。
但し、定期的に(1~2週間に1度)診査と指導を受けながら進めてください。
ホワイトニングで白くなるわけ
漂白剤は歯の表面から、0点数mmエナメル質に進入して、その間にある汚れや色素は直接強力に脱色します。それ以上内部には効果はおよびません。ところが気になる歯の色はもっと奥、象牙質の色の悪さが表に透けて見える場合が多いのです。
しかし、一方ではこの強力な漂白剤は、進入したエナメル質を“すりガラス状”に変えます。このすりガラス効果は奥の色を遮断して、間接的に歯を白く見せます。
この二つの効果で白くなるのです。
ホワイトニング後の歯の変化は
ホワイトニングの直後は、表面まですりガラス状ですから、コーヒー・コーラ・カレーなどの色素が、逆にしみこみかねません。2週間ほどは色物は避け、フッ素入り歯磨きでまめに汚れを落とします。時間がたつとエナメル質の最表層だけは、唾液のカルシュウムを吸い込んで、すりガラスから透明ガラス状態に戻ります。こうなれば大丈夫です。
しかし長い時間の経過のうちに、少しずつ表面からもっと中の方へカルシュウムがしみこんで、すりガラスは透明ガラスへとゆっくり戻ってゆきます。すりガラス効果が薄れてゆくと、歯の色も少しずつ元に戻ってゆくわけです。いつか再度ホワイトニングが必要な時期がくるでしょう。
ホワイトニングで全ての歯が白くなりますか
すべての歯は、ホワイトニングによって、1・2段階は白くなっています。黄ばみ程度の歯ならこれで十分満足できるはずです。しかし(テトラサイクリン剤などによる)強力な象牙質の変色や黒変に対して、すりガラス効果だけではきれいな色を望むのは無理です。
虫歯のある歯はホワイトニングできない・・・・
虫歯だけではなく、歯の表面(エナメル質)に割れ目がある歯、詰め物(レジン充填・インレーなど)が古くて周囲に隙間がある歯、などではホワイトニングできません。
その場所を伝って、エナメルの下にある象牙質に漂白剤が進入すると、歯髄(神経)を痛めて、歯がしみたり、痛くなったりする恐れがあるからです。
無随歯(神経をぬいた歯)はもちろん別です。この場合神経の入っていた穴の方から漂白することもあります。しかしそんな歯は、欠け方が大きかったり、大きな詰め物が汚かったりして、全層を削ってきれいな陶材冠をかぶせることが多いと思います。